若い世代の人口が減り、結婚する人も年々低下しているのにもかかわらず、母子家庭世帯が急激に増えています。

母子世帯

婚姻数は、ピークは1972(昭和47)年が110万組、2012年になると67万組と、その数はピーク時の6割程度に大幅減少。

婚姻数は減っているのに、離婚者数は1980年(昭和55年)9.6万組、2000年(平成12年)15.7万人、2011年(平成23年)13.7万組と急増しています。

母子世帯は、1983年(昭和58)年の35.3万世帯だったのが、2011(平成23)年には、133.2万世帯と4倍になっています。

(データ参照先:平成25年版 厚生労働白書)

母子世帯の住居の7割は公営住宅か民間

厚生労働省が平成27年にまとめた「ひとり親家庭等の現状について」の資料に、離婚した世帯の住宅事情のデータが掲載されていました。

資料によると、ひとり親家庭の住宅事情は、母子世帯と父子世帯では大きく違い、母子世帯の生活がいかに苦しいかがわかります。

ひとり親家庭の住宅の現状(平成23年度全国母子世帯等調査)

ひとり親住宅環境

●母子世帯
・持ち家 29.8%
・公営住宅 18.1%
・民間 32.6%

●父子世帯
・持ち家 66.8%
・公営住宅 4.8%
・民間 15.2%

持ち家に住んでいるのは、父子世帯が7割もいるのに、母子世帯では3割しかいないのです。

母子世帯への養育費等の支払い

さらに母子世帯への養育費などの支払いに関して、ショッキングなデータがあります。

以下は、厚生労働省の「平成23年度全国母子世帯等調査」データです。

平成23年度全国母子世帯等調査 養育費の状況

【母子世帯の養育費の取り決め状況】平成23年度
・養育費の取り決めをしている  37.7%
・養育費の取り決めをしていない 60.1%
・不明              2.2%

【母子世帯の養育費の取り決めをしていない理由】平成23年度
・相手に支払う意思や能力がない 48.6%
・相手に関わりたくない     23.1%
・取り決めの交渉をしたがまとまらなかった 8.0%
・取り決めの交渉が煩わしい   4.6%
・相手に養育費を請求できると思わなかった 3.1%

【母子世帯の養育費受給状況】平成23年度
・現在も養育費を受けている  19.7%
・養育費を受けたことがある  15.8%
・養育費を受けたことがない  60.7%
・不詳             3.8%

母子世帯で父からの養育費を一度も受け取ってない家庭が6割もいるという現状はショッキングですよね。

取り決めしたのに養育費が支払われない

離婚後数年間は、養育費が支払わていましたが、いつも間にか支払われなくなってしまったケースも数多くあります。

養育費

そのような場合、離婚調停や離婚審判で決めた場合や公正証書を取り交わしている場合、裁判所から相手方に勧告や支払命令してもらうことができます。(履行勧告・履行命令)

それでも応じない場合には、強制執行により相手の給料を抑え強制的に回収することができます。(養育費の場合、給料の2分の1まで)

しかし、強制執行で給料を抑えるためには、弁護士に相談したり裁判所に申立てをしなければなりません。

離婚時にしっかりもらっておくのが一番の得

このようなデータからわかることは、将来の約束は当てにせず「離婚時にしっかりもらっておくのが一番」ということになります。

養育費の支払いや住宅ローンなどの取り決めも、離婚してから数年間は続きますが、年月の経過とともに実行されなくなってしまう例が多いのです。

理由は、自分も相手も、病気、再婚、離職、退職など、年月の経過とともに生活環境が大きく変わってしまうことにあります。

だからこそ、お互いの婚姻関係のあるうちに、財産や養育費などをしっかり確保しておく必要があります。

家の処分は面倒と避けてると大きなトラブルに

夫婦として築き上げた財産の中で最も大きいものに住宅があります。離婚時に、この家をどうするかは、大きな問題ですよね。

一般的に、家計の中に占める住居費の比率はどこの家庭でもかなり高く家計の1/3~1/2を占めています。

家の処分

住宅ローンを負担してもらい、今住んでいる家に住み続けられれば楽なのですが、それにはローンが一度途切れることなくきっち払われ続けることが前提です。

この取り決めは、滞納すれば差し押さえられたり、即退去となってしまう不安定なものなのです。

実際、分かれた相手と連絡がとれず支払いが止まってしまい、家をでていかなくなった例も沢山あります。

15年、20年と長期の住宅ローンが残っている場合には、なおさらそのリスクは高くなってしまいます。

そのようなことを考えると、少々苦労しても離婚時に家を売ってきれいサッパリ片付けてしまった方が、次の人生のためにも良いのではないでしょうか。

共同債務者、連帯保証人になっている場合のリスク

家の売却を検討するには、最低限以下の3点を事前に調べておく必要があります。

【家の処分の検討に必要なもの】
①住宅ローンの残金(支払い計画表)
②住宅の資産価値(売却できる金額)
③共同債務、連帯保証などのチェック(契約書)

自分の家がどの位で売れるのかは、「一括査定見積り」などを利用すれば簡単に調べられます。

とりあえずは、ネット上の申し込みだけで訪問なしに簡単に査定してもらえる「簡易査定」を使います。

結婚前に貯めていた貯金や親からの援助してもらった金額などもまとめておくと、財産分与の交渉の時に役立ちます。

住宅ローンの共同債務者や連帯保証人になっている場合には、離婚が成立してもローンが完済するまで永遠に責任がついてきます。

後々のトラブルを避けるためにもリスクや対処法について、弁護士等のアドバイスをもらいながら話しあうことをお勧めします。

交渉が面倒、話し合うのも顔を見るのもイヤ、一刻も早く別れたいなどの理由で、すべてを放棄しないでください。

住宅ローンを抱え共同債務者や連帯保証人になっている場合には、将来大きなトラブルに巻き込まれる可能性が潜んでいます。