2人の合意だけで離婚する協議離婚が全体の9割

離婚する時、離婚の条件等を話しあいお互いの合意を得る必要があります。これを協議離婚といいます。

協議離婚は、裁判所が間に入らず2人の合意だけで離婚する方法で、離婚者の9割がこの方法で離婚しています。

協議離婚

合意が得られれば離婚届を本籍地や住所地の市町村役場に提出、受理されれば離婚が成立します。

しかし、協議離婚は十分な話し合いや取り決めをせずに別れてしまうことが多いので、注意が必要です。

協議離婚時に決めておく事項

協議離婚の内容

離婚する前に、以下のような内容について話し合い、決めておく必要があります。

協議離婚時の話し合い内容(協議項目)

①慰謝料
②財産分与
③親権者の指定
④養育費
⑤面接交渉
⑥年金分割

(※③④⑤は、未成年の子供いる夫婦)

①慰謝料
慰謝料は、不倫などが離婚の原因の場合、原因をつくった側が精神的な苦痛を与えた側に支払う金額です。

②財産分与
婚姻中に二人で蓄えた財産を清算します。

結婚前に、それぞれが貯蓄していたものや、親から相続や贈与された財産は、「婚姻中に共同で形成した財産」にあたらないので、財産分与の対象とはなりません。

財産分与は、現物かお金により分与されます。借金やローンなどのマイナスの財産についても分与の対象となります。

ただし、ギャンブル、酒、遊興費、生活に必要でない 買い物、過剰な衣服や装飾費などについては対象となりません。

③親権者の指定
親権とは、子供を監護、養育し、子供の財産を管理し、代理人として法律行為を行う権利、義務をいいます。

未成年の子供がいる場合には、親権者をどちらにするか決めて、離婚届けに記載する必要があります。

④養育費
子供を引き取らなかった親は、子供を育てる側に対して養育費を払う義務があります。

⑤面接交渉
子供を引き取らなかった親が、子供と面会する権利です。子供の意思も尊重し決められます。

⑥年金分割
年金分割の対象となるのは、婚姻期間中の厚生年金の部分です。国民年金(基礎年金)や厚生年金基金の部分は対象となりません。

自営業などの国民年金の方の場合には、厚生年金がないため分割対象となる年金はありません。

財産分与の話し合いをするための準備

財産の中でもっとも大きな財産となるのが家です。財産分与の話し合い前に、事前に家の資産価値を調べておくとよいでしょう。

家の分与

家の資産価値は、「ローン残金がいくらあるのか」「売却した場合、いくらで売れるか」を調べることで、おおよその金額がつかめます。

ローン残金は、ローン返済表で確認することができます。売却予定の年月に記載されている金額が、残金となります。

家の売却金額を調べるには、マンションなら同マンションの販売実績を調べる、不動産鑑定士に依頼する、その他ネットの家査定などの方法があります。

ネットでの家査定は、すぐに結果が分かるのでとても便利です。

不動産一括査定で最高価格が分かる

上記のようなサイトを利用すると、家に関する情報を入れるだけで、無料で大まかな売却予想金額を掴むことができます。

数字はあくまでも、予想で決定金額ではありませんが、ローン残金と比較することで、どれくらいの資産価値なのか理解できます。

財産分与の方法

売却金額がローン残金が高ければ、『プラスの財産』、売却金額よりローン残金が多ければ、『マイマスの財産』となります。

家の名義やどちらが支払っているかに関係なく共有財産として認められます。マイナスの財産も2人の共通財産となり、分与の対象となるので注意が必要です。

車や家電、家具などの現物、貯金や現金などの資産を加味した上で、共通の財産をどう分けるかを考えていきます。

分与の方法としては、

①財産を現物で分ける
②不動産や自動車等など現物をもらいに、財産価値の半分を相手に渡す
③財産を売却して、そのお金を分ける

などがありますので、それらを組み合わせて財産分与の仕方を決めます。

協議離婚書を作成し公正証書にしておく

取り決めた内容は「協議離婚書」を作成して、強制執行認諾文付きの公正証書にしておくと安心です。

離婚協議書

強制執行認諾文付きの公正証書は、履行されない場合に、執行力を行使して相手の財産を押さえることができます。

作成には、専門的な知識が必要となりますので、弁護士に相談して作成してください。

離婚協議で決められない場合には、裁判所による離婚調停、離婚審判、離婚訴訟などにより決めることになります。