離婚時に名義変更や売却できずに住み続ける結論になることがあります。

今まで家族で住んでいた家も、離婚で家族が減ってしまうとガラーンとしてしまいますよね。

そんな家に住み続けるより、いっそのこと賃貸にしてしまうという方法があります。

自宅を貸す

しかし、そんなこと簡単にできるのでしょうか・・。

自分が住むことが前提の住宅ローン契約書

住宅ローンを組む時に、「住宅ローン契約書」を締結しますが、その中に「資金用途」という条項があります。

資金用途とは、「借りたお金を何に使うのかを定めたもの」で、「住宅ローン契約書」には一般的に以下のような内容が書かれています。

【資金用途】
本契約は、自己の居住に供する不動産の取得または増改築、あるいは現に居住している不動産を取得する際に借入れた住宅ローンの借換の資金に用いるため、本契約を締結するものである。

ただし、一時的に居住できない事情があり、かつ、当社がその事情を特に認めた場合はこの限りではない。

つまり、居住できない事情がありその事情を認めた場合という条件付きで、家に住まずにローン返済を継続できると書かれています。

しかし、これまでは賃貸しようと金融機関に相談しても、住宅ローン中の家を賃貸することは、ほとんど認められませんでした。

承認を得ないで無断で賃貸をしていた場合には契約違反となり、ローンの権利を失い(期限の利益の喪失)直ちに一括返済しなければないような状態でした。

そんな流れを変えてくれたのが、「中小企業金融円滑化法」です。

「中小企業金融円滑化法」で賃貸の可能性が拡大

「中小企業金融円滑化法」は、2008年に起こったリーマンショックで苦しむ中小企業を助けるための法律として、平成21年12月4日に施行されました。

中小企業が返済に苦しいときには、金融機関は「返済の猶予(リスケジュール)など、柔軟に対応する努力をしなさい」という内容のものです。

「中小企業金融円滑化法」は、2011年に起こった東日本大震災の混乱もあり、2度延長され、平成25年3月に完了しました。

しかし、政府から、その後も金融機関は返済に対して柔軟に対応するようにとの指導がされています。

住宅ローンも、この恩恵を受け住宅ローンの返済調整(リスケジュール)が、かなりやりやすくなりました。

また、住宅ローン返済中の家を賃貸にすることの承認も、かなり柔軟に対応してくれるようになりました。

住宅金融支援機構でも、住宅ローン返済中の賃貸に対して、次のように内容をネットで公表しています。

金融円滑化への取組について
中小企業金融円滑化法(「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律(平成21年法律第96号)」をいいます。)は、平成25年3月末を以て終了いたしましたが、法終了後においても、住宅金融支援機構の金融円滑化に向けた取組については、何ら変わるものではありません。
住宅金融支援機構は、同法の趣旨をふまえ、以下の事項を継続して実施します。

・住宅ローン等の条件変更に関する取組方針の公表及び取組体制の強化
・事業系融資(賃貸住宅融資、まちづくり融資等)における返済が困難となったお客さまへの対応の拡充
住宅ローンにおける融資住宅からの一時的な転居に関する承認手続の廃止(融資住宅を所得が回復するまでの間賃貸し、その家賃収入により返済を継続することも可)

参照先:住宅金融支援機構 個人のお客さま
http://www.jhf.go.jp/customer/hensai/enkatsu.html

つまり、所得が減ってしまった場合には、転居に関する承認手続をしなくても、所得が回復するまで賃貸して、その賃貸収入で返済してもよいですよ。という意味になります。

承認手続きについては、銀行など他の金融機関では承認が必要なので、借り入れしている金融機関に相談してみてください。

広い家を賃貸にし手頃な間取りに引っ越し

離婚してしまいますと、家族も減り家具なども少なくなり、ガラーンとした寂しい家になってしまいます。

1人で住むなら2部屋もあれば十分、ほとんど使わない部屋もでてきてしまいますよね。

そこで、現在の家を賃貸にし、今の暮らしにあった間取りに引っ越します。

例えば、3000万円の4LDKの家の返済金額が8万円だった場合、賃貸にすれば12~13万円で貸すことができます。

そうすると
13万円(賃貸収入)-8万円(住宅ローン)=5万円(家賃収入)となります。

郊外の間取りの小さなとこに引っ越して、家賃が8万円だった場合、

8万円(新住居の家賃)-5万円(家賃収入)=3万円(実質の新住居の家賃)

とすることができます。

賃貸にするメリットは他にもあります。

住宅を賃貸にするメリット

①離婚後の生活費の足しにできる

②収入に余裕ができた時には賃貸を止め戻ることができる

③ローンが終われば、自分の財産にすることができる

名義変更がからんでいる場合には、住宅ローンの借り換えや乗り換えをして名義を整理してから、賃貸にするという方法もあります。

これまで住宅ローンの返済がかなり進んでいる場合には、ローンの乗り換えや借換えをすることで、かなり安めの返済に変えることもできます。

興味のある方は、一つの可能性として金融機関に相談してみてください。